韓国のウェブ業界の様子を窺うことができる記事が複数あったので紹介。
韓国では自国の検索サイトがgoogleを圧倒しているようだが、それは必ずしハッピーな結果ではない。というのも自国の検索サイトが強いのは、単にコンテンツの囲い込み(クローラをはじくとか)をしているからに過ぎないからだ。
なぜ寡占状態が生まれたかまでは読み取ることができないが、長年のウェブ業界の寡占により全体としてコンテンツの開放が進まず、Web2.0的なサイトやサービスが生まれにくい状態を作り出しているという。そんな憂慮の声が、韓国内から出てきているのには気になる。
さらに興味深いのが、利用者もそんなポータルに満足しているという指摘だ。現状満足の、ぬるま湯に浸かってしまっているということだろうか。日本の携帯業界のガラパゴスは、世界一機能と使い勝手に厳しい消費者を生み出したが、韓国においては負の方向に生態系が進化してしまったということなのかもしれない。
日経ビジネス:韓国NHN、グーグルを圧倒
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韓国でのグーグルの立場は、“弱小”ポータルサイトの域を出ない。韓国での検索エンジンの主流はネイバーなのだ。
(中略)
グーグルが韓国でこれほど苦戦する理由の1つは、韓国語のウェブ文書の少なさだ。この点で有利と自覚するNHNの経営陣は、コンテンツ提供者と共にコンテンツを独自に構築し、ネイバーのデータベースの充実を図ってきた。また、優位性を保つため、同社の財産であるデータベースに他の検索エンジンがアクセスするのを阻止してきた。
(中略)
NHNはグーグル封じ込めの武器の1つとして、ユーザー自らコンテンツを作成できる“利用者作成型コンテンツ”をネイバーのシステム内に構築している。
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COURRiER JAPON 9月号 朝鮮日報
"Web2.0"の流れに乗れない韓国IT業界は「井の中の蛙」
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世界のIT業界の実証・実験の場でありアイディアの宝庫だった韓国は、今では単なる「井の中の蛙」に転落してしまった。
(中略)
しかし韓国では、アメリカや日本とは違って、いまだに囲い込み戦略が横行している。専門家たちは、韓国が囲い込み戦略から脱することが出来なかった重要な原因の一つに、ネイバー、ダウム、サイワールド3社によるネット界の寡占体制があると指摘している。
(中略)
国内のネットユーザの90%以上を握っているこの3社は、日米と違って中小ベンチャー企業の成長を妨げている。
(中略)
大型ポータルが提供するサービスにならされたネットユーザは、新進企業のサービスになじみにくく、結果的に韓国のインターネット文化が”個性のない団地”のようになってしまっている。
(中略)
一方、日本のユーザはかつての消極性を捨てて、自分の趣向や目的によってさまざまなサイトを利用し、ネット業界の発展の要素となっている。
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IBTimes:[コラム]Web2.0、韓国の姿は?
All About : Web2.0時代 韓国ネット利用現況
講談社
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